IL-6 阻害薬
インタープロテインは、インターロイキン-6(IL-6)とIL-6受容体α鎖(IL-6Rα)の相互作用において重要な役割を果たす部位に良好な低分子結合部位を見出しました。さらに、この部位に結合すると予想される低分子化合物をデザインし、実際にそれらの化合物を合成・評価したところ、次のような興味深い特性を示す「CIA系化合物」を見出しました。
- 表面プラズモン共鳴(SPR)法において、IL-6とIL-6Rαの結合を阻害することが判明している。
- SPR法において、IL-6に結合することが確認されている。
- 核磁気共鳴(NMR)法において、想定結合部位に結合していることが示されている。*
*独立行政法人 理化学研究所の創薬・医療技術基盤プログラムの創薬テーマとして採択され、同研究所との共同研究によって得られた成果 - ヒト肝臓系細胞株であるHep3B細胞において、IL-6で刺激した際のSTAT3リン酸化を阻害することが確認されている。
低分子IL-6阻害薬は、トシリズマブ(アクテムラR、ヒトIL-6Rαに対するモノクローナル抗体)の現時点における適応症であるキャッスルマン病、関節リウマチ、および若年性特発性関節炎のみならず、他の多くの炎症性/自己免疫性疾患への適応も可能であると考えられます。また、中枢神経系に到達する低分子化合物を実用化することにより、IL-6が関与する多くの中枢神経系疾患の治療にも寄与すると期待されます。さらに、IL-6が関連する白血病や固形がんに対する治療薬となる可能性も考えられます。