KIR 阻害薬

背景

Natural killer（NK）細胞は、免疫制御性のサイトカインを分泌することにより、あるいは、感染細胞や形質転換細胞に細胞死を誘導することにより、感染症や悪性腫瘍に対する宿主防御反応において重要な役割を果たしています。そこで我々は、NK細胞を負の方向に制御する因子を阻害することにより、新規な免疫チェックポイント阻害薬の開発につなげたいと考えました。

コンセプト

NK細胞が腫瘍細胞に遭遇した場合、通常は、活性化型受容体が腫瘍関連抗原によって刺激されますが、制御型受容体であるkiller-cell immunoglobulin-like receptor（KIR）が、腫瘍に発現するhuman leukocyte antigen-C（HLA-C）に同時に結合した場合、NK細胞が不活化されます。我々は、KIRとHLA-Cの結合を阻害すれば、NK活性が回復すると考え、KIRに結合するヘリックス・ループ・へリックス・ペプチドをデザインしました。